まほろば

複数のおもちゃを同時に動かす 1

投稿者:マーチン  2019年8月12日 
カテゴリ:上肢障碍者向け::スイッチとおもちゃ

 製作会によく参加してくれる「クレクレタコラ」さんのリクエストのお答えして、1個のスイッチで4個までのおもちゃを安全に動かすことのできるガジェットを、入手しやすい部品で作ってみました。どこかの書籍で紹介されていたり、製品として販売されている(いた?)らしいですが、入手できる方はそちらを利用されていてもいいです。はんだ付け箇所が、50か所以上ありますので、はんだ付けの苦手な人には、難しいかしいかもしれません。
 スイッチを押すと、LEDが点灯するので、単純なスイッチチェッカーとしても使えます。
 複数のおもちゃを外付けのスイッチで同時に動かしたい時には、回路的に独立した接続になっているかに注意が必要です。安易に接続すると電池が熱くなったり、長時間使うと液漏れしたり破裂したりする可能性もあります。




●購入品

 機械的リレーではなく、2Aまでの電流を流すことができるフォトリレー(MosFET)を使ってみました。機械的リレーとは違って、切り替わるときのカチッという音がしなくなります。

品目個数金額
【セリア】カードケース108円内寸 96x58x17mm以上
【秋月】フォトリレーTLP241A520円
【秋月】ユニバーサル基板(ブレッドボード配線パターンタイプ)90円
【秋月】単3電池 PHコネクタ付電池ボックス70円
【秋月】3.5㎜モノラルミニジャック MJ-355 250円
【秋月】PHコネクタ サイド型 2P S2B-PH-K-S 60円
【秋月】コネクタ付コード2P(A) JST PH相当 150円
【秋月】抵抗内蔵5mm赤色LED(5V用) OSR6LU5B64A-5V15円3Vでも光ります
抵抗 180Ω
単3乾電池 2個、両面テープ、装飾シール
合計約1,500円

●基板

 ブレッドボード配線パターンタイプのユニバーサル基板を使うと、基板のサイズは大きくなってしまいますが、配線が容易になります。それでも、50箇所以上のはんだ付けが必要ですから、ちょっと難しいです。



●製作方法

(1)ケースに、3.5㎜ジャックのΦ6.5mmの穴を5個と、LEDのΦ5.4mmの穴をあけ、カッターナイフで追加工する。

(2)ユニバーサル基板の、20と21の間で切断する。表裏の両側からカッターナイフでできるだけ深く切り込みを入れてから、ラジオペンチで挟んで繰り返し曲げると切断できる。
(3)4本の抵抗を指定の位置にはんだ付けする。セロハンテープで仮止めをしておくと作業がしやすい。
  7B~7+、10B~10+、13B~13+、16B~16+
(4)抵抗の足の残り(もちろん、スズメッキ線を使ってもいい)で、7箇所の短絡部のはんだ付けする。セロハンテープで仮止めをしておくと作業がしやすい。
  1A~1+、4A~4-、8A~8-、11A~11-、17A~17-、2C~5C
(5)以下の部品のはんだ付けは、向きに注意をする。
PHコネクタ ・・・・上側からコネクタを差し込む向き
フォトリレー ・・・・丸印のついている1番ピンを左下
LED ・・・・長いほうの足が4+に、短い方の足が5-に挿さるように、直角に曲げる
(6)コネクタ付コードを55mmの長さに切り、3mmの被覆をむいて予備はんだをし、モノラルジャックにはんだ付けをする。

(7)モノラルジャックをケースに固定し、一番左のコードを一番左のコネクタに、電池ボックスからのコードを2番目のコネクタに刺す。それ以外のコードを順に挿す。

(8)基板の裏に厚さ1mmの両面テープを2枚重ねて貼り、ケースに固定する。

(9)完成。お好みで、表面に装飾シールを貼る。

●動作可能なおもちゃ

 2Aの電流(スマホの高速充電時と同じ)まで流すことができます。通常のおもちゃでは最大出力で500mA~700mAが流れるモータが使われています。ですから、アルカリ乾電池を2~4本で動いているおもちゃであれば問題なく動かせます。ラジコンやドローンに使われる強力なモータには、2Aを超えるものもありますので、これらには使うことができません。
 100均で買ったからーLEDや、ハンディファンや、電車のおもちゃと、今年のナゴヤドームの開幕戦でもらったペンライトを、改造したり、BDアダプタで接続します。Φ3.5mmのオス―オスケーブルも必要です。

●チャンネル数増減

 4チャネルも必要なければ、該当部分の回路を削るだけで、2~3に減らすことできます。
 フォトリレー、3.5㎜モノラルミニジャック、PHコネクタ、コネクタ付コード、抵抗を追加(合計250円)して、適切なサイズのケースに入れれば、チャンネル数を増やすことができます。


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